西尾市一色町で主に生産される「えびせんべい」は全国有数の生産量を誇る西尾市の特産品です。約100年前の誕生から、生産者のたゆまない努力によって全国に販売を拡大してきました。エビのうまみをそのまま生かし、添加物をほとんど使わない自然派のスナック菓子で、お子様からお年寄りまで安心して食べていただけます。
また、伝統的な「えびせんべい」だけでなく、さまざまな種類が登場しています。これからも西尾市の「えびせんべい」を贈り物やご家庭でご愛顧ください。
平成30年2月9日 特許庁 地域団体商標に登録!!
100年以上の歴史を持つ、西尾市一色町の「三河一色えびせんべい」
平成30年2月9日付けで、特許庁の地域ブランド(地域団体商標登録制度)を取得しました。
今後は他の商品との差別化を図り、更なるブランド力の向上を目指していきます。
「三河一色えびせんべい組合」:一色町と周辺地域36社で構成。
1.三河一色えびせんべいの歴史
~「かまぼこ文吉」と「ひげ貞」のえびせんべい物語~
西尾市一色町で「えびせんべい」の生産が始まったのは、今から約100年前。明治時代半ばに「アカシエビ」を主原料にして作られたのが始まりです。
当時「アカシエビ」は国内で食用としての需要が振るわず、乾燥して肥料として用いられたり、乾燥加工され「カジキエビ」の名で中国へ輸出され、「えびせんべい」として加工されたものを、日本が再び輸入し、庶民の手には届かない高級品として食されていました。
ちくわやかまぼこなどの練り物の製造を生業としていた“かまぼこ文吉”は、ある日、高価な中国産の「えびせんべい」を口にして、一念発起の思いで、純国産、純地元産の「えびせんべい」の製造に取りかかりました。
文吉は、乾燥エビの代わりに、より良味の生エビを使い、それに北海道産のじゃがいもの澱粉を混ぜ合わせて改良したことで、エビ本来のうまみが増しました。そして、文吉の国産「えびせんべい」創案からまもなく、ヂャラカン蒸し器で多量のエビを処理し、包丁で細かく切ってから澱粉に混ぜて焼く製法を考案し、「えびせんべい」を多量に、しかも安価に販売する道を開いたのが、伊勢富田の地から来往していた通称“ひげ貞”です。
西尾市一色町のえびせんべい業界には、「えびせんべい」の創始発案者“かまぼこ文吉”と、それを世に広めた“ひげ貞”の二人の偉大な先駆者がいたのです。
2.えびせんべいの特徴&豆知識
√ ほんのりと薄紅をしたような色合い
√ 伝統的な「手焼き」と大量生産の「機械自動焼き」
√ いかやタコなど種類が豊富
√ 素材の味を生かした、姿焼やソフト焼きも大人気
手焼き
伝統製法を着実に継承し、長年の勘と熟練した技術が要求されます。老舗の風味が受け継がれ、独特のえびの香りを満喫させてくれます。生産量の約3割を占めています。
機械自動焼き
ムラのない均一的な商品が量産でき、新しい設備装置の開発や工夫により、従来品とは一風違った新製品を数多く手がけ、安価で良質な商品を届けられるようになりました。生産量の約7割を占めています。
3.伝統の継承、全国的な名産へ
えびせんべいが現在のように全国のスーパーやコンビニエンスストアー、百貨店で手軽に買えるようになった背景には、米で作られる「米せんべい」との違いを説明し販路拡大を続けた生産者たちの地道な努力がありました。また、「三河一色えびせんべい組合」が中心となり、大量生産のための機械化やナイロン袋による包装技術の進化に努めたことも大きな飛躍につながりました。
近年は、製法において、昔ながらの伝統的な「手焼き」を継承する職人と、「機械自動焼き」によりすべての工程を自動化した業者の二分化の傾向が顕著ですが、生産システムが異なっても、歴史ある地場産業としての一体感を失わず、主原料の新鮮なエビが目の前の三河湾で漁獲される地の利に加え、確かな伝統製法技術を継承しつつ、消費者の好みに合った新製品の開発などを行い、成長を続けてきました。
現在では、三河湾だけでなく輸入品のエビも原材料に使用していますが、添加物をほとんど使わず、少しの塩味を加えて作る自然食のスナック菓子として、改めて「えびせんべい」の存在が注目されています。
こうして、西尾市の「えびせんべい」は、全国有数の生産量を誇るとともに、時代の波に乗り、今後もさらに大きく躍進しています。
4.市街でも積極的にPR
たくさんの方に、西尾市の特産品「えびせんべい」を味わっていただくため、
市外・県外で開催される物産展やイベントにも積極的に参加し、出張販売も行っています。
東京都庁物産展、親善交流市町での物産展【福井県越前町(旧朝日町)、岐阜県恵那市(旧岩村町)、山形県米沢市、東京都墨田区、兵庫県赤穂市、長野県長野市信州新町、岐阜県中津川市(旧付知町)など】、県内外で開催される観光イベント等